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専門学校の「今」に鋭く迫る辛口コラム
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2001年9・10月合併号
調査 |
日本語学校事情 その18
〜『日本語学校全調査』から〜 |
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このほど弊社が刊行した『日本語学校全調査』は、全国の日本語教育施設(日本語教育振興協会の認定校の他に、大学の別科、専門学校の日本語科など)のアンケート調査に基づいて毎年刊行されている。昨年度までは毎年11月に刊行されていたが、文部省の学校基本調査等の調査時期と合わせるために今年度からは5月調査、6月刊行に変更された。
同誌は全国の日本語教育施設を各校2分の1ページの統一パターンで紹介している。そのために、いくつかの統一項目を集計することによって、年度別統計としても使用できるようになっている。今回は、そのうち経営的な側面から定員と在籍者の推移を、また、教務的な側面から使用教科書について以下見てみる。
▼63.6%は51〜200人の定員校
まず定員について見てみる。表1のように、50人刻みで見てみると、51人〜100人の定員の日本語学校が最多で56校、以下、101〜150人が46校、151〜200が45校でトップ3となっている。一方、201人以上あるいは50人以下は極端に少なくなっており、日本語学校の多く(学校数全体の63.6%)は、定員51〜200人の学校ということになる。
▼在籍者数は二極分化の兆し
在籍者数についてみると、51〜100人の日本語学校が58校で最多であることは昨年度同様であるが、昨年度と比較して101〜150人が3742校へ、また、201〜250人が1724校へなどとなっており、いくつかの例外を除いて、多くの50人刻みの区分で昨年度を上回っている。このことは、最近の日本語学校の在籍者数は増えていると一般にいわれていることを裏付ける数字となっている。
一方、50人未満の学校は4553に増えている。入管の適正校、非適正校の区別(差別?)が、こんなところにも現れているといえなくもない。
▼定番の教科書がトップ
日本語学校ではどんな教科書を使用しているのかを見たのが、表3-1〜表3-3である。初級では『みんなの日本語』がトップで133校(55.2%)、次いで『新にほんごのきそ』が30校(12.4%)となっている。また、中級では『中級から学ぶ』がトップで127校(52.7%)、次いで『文化中級』が29校(12.0%)となっている。上級では、『上級で学ぶ』が145校(60.2%)でトップとなっている。
いわば定番とされる教科書が予想どおり全てのレベルでトップである一方、『独自教材・その他』が全てのレベルで第2位となっていることは注目される。既存の教科書が必ずしも満足できるものではないが、といって他の選択肢がない、という日本語学校教師の悲鳴が聞こえてきそうである。(鎌田)
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